コツブログ -2歳とパリ編-

いろいろなコツを書くブログ。まずは、2歳児と海外旅行へ行ってみます。

【パリ調】パリにも「保活」はあった!けど…

本日も、フランスの子育て事情のお話です。
またまた、こちらの本を読んでの、感想など。

book『フランスはどう少子化を克服したか』

 

パリ保活は、東京より厳しかった。ただし…

3歳未満のフランスの保育園定員数は、約16%※。
一方日本は、認可保育園分でだけでも約40.5%。
※地域差があり、パリでは30%、地方では6%のところもあるとのこと。

その数値だけ見ると、日本の方が整備されているように思えます。
でもフランスの人が悲観的にならないのは、保育園の他にも働く母が子どもを預けられる手段が用意されているから、とのことでした。
・保育園
・母親アシスタント
・ベビーシッター(個人も共同もある)
の3つの形態があって、その数は預けたいと希望する数を満足するものだということです。
そして、これも保活が悲観的にならない大きな理由だと思いますが、母親が働いていようが働いていまいが、3歳児以上は全員「保育学校」に通えるそうです。
義務ではないものの、通学は無料で抽選も選考もなく必ず通うことができるので、普及率はほぼ100%だそうです。
たったの3年頑張ればあとは保育学校にお任せできる、と思えるので、多少高くても、多少不満があっても、大したクレームにならずに数年を過ごすことができるとのこと。
または、3歳まで仕事を休んでも預け先が必ずあるので、安心して育児に専念できる環境があるとも言えます。

日本での保活があんなに熾烈になるのは、「先を読むことができない」からだと思いました。
新年度からの認可保育園の合否通知は、2月。
4月から復帰するのに、その1ヶ月前まで先が読めないのです。
私も認可保育園を希望していて認証に申し込んでおらず、2月中旬に不合格通知をもらって頭が真っ白になった経験があります。
そこから、認証保育園に電話をかけまくって、なんとか預け先を見つけました。

保育園がダメでも他があるからいいや、と思えない、選択肢の少なさも問題だと思います。
個人的には、母親アシスタントやベビーシッターなどの「特定の個人」に娘を預けることに抵抗は強いですが、日本なりの、寺子屋的な、何かの打開策はないのかな、と考えさせられました。
(母親アシスタント等々の説明は、ご紹介した本を読んでみてください。)

 

日本の保育園は異常だった

この本を読んでびっくりしたのは、日本では当たり前だと思っていたことが、フランスでは当たり前ではなかったこと。
特に、「保育園に預ける」=「準備がいろいろ必要」という認識は、当たり前ではありませんでした。

日本では、熾烈な「保活」を経て、ようやく保育園が決まって説明会に行くと、当たり前のように「持ち物リスト」を手渡され何の疑いもなく準備して、毎日の持ち物リストを元に大量の服とオムツに名前を書いて持って行き、着替えや布団(保育園によっては排泄物まで!)を持ち帰らされて、毎日洗濯して、連絡帳を書いて…と、今思い返しても「無駄」な行為が多かったように思います。

我が家は1歳の時は認証保育園、2歳からは幼稚園、だったため、比較的準備する物は少なく済みました。
保育園時代、布団カバーや食事エプロン・コップなどは園が準備してくれたので、オムツ・おしりふき・バスタオル・服などを準備するだけで済みました。
幼稚園になると、お昼寝もお着替えも連絡帳もなくなったので、洗濯物や前日の準備がだいぶ減りました。

一方、フランスでは初日に箱ティッシュとか着替え一式とかを預けると、そのあとは手ぶらで通えるそうです。
毎日時間との戦いで働いているワーママにとって、毎日準備しなければならないものが減るだけで、だいぶ助かると思います。

家庭の教育方針にもよると思いますが、改めて日本の保育園で無駄だと思うものを挙げてみました。
・大量の着替え(よっぽど汚れた時以外は着替えは無くて良い)
・毎日の連絡帳(口頭で十分)
・オムツの名付け(保育園側が提供or1パックまるまる親からの寄付で良い)
・排泄物の持ち帰り(持ち帰らせる意味が不明)
これがなくなるだけでも、保育士・親、双方の負担は減ると思います。
保育士不足&長時間勤務が課題とも言われているので、多少保育の質(というより、「保育園に預ける罪悪感を減らす為」の苦労に思えてきましたが)を落としてでも、効率化できるところはして、無駄な行為をなくすことは必要かと思いました。

 

これ早く日本に欲しい、と思ったビジネス

復帰直後に、私の会社では面談がありました。
人事部と上長と私の3者面談で、 仕事と育児の両立などの不安なところを話し合う場でした。
その中で、企業内保育園についての意見を求められました。一応、会社で設置を検討しているとのこと。
企業内保育園といえば、働いている事務所の中に託児所があってそこに子どもと一緒に出勤する、というイメージだったので、「満員電車の中、子どもを連れて通勤するのは無理」と答えた記憶があります。
理想は、自宅の近くに預けること。そして、必ず保育園に預けられる保証があること。
そんなことは夢のまた夢だな、とその面談では話していました。

それが、そんな理想的なサービスがすでにフランスにあることを知りました。
「バビルーグループ」が提供する、「1001の保育園」というビジネルモデルです。
会社の人事部をターゲットにしていて、福利厚生の一貫として保育園の「企業枠」を提供するビジネスです。

保育園枠は、年間1枠から契約でき、その枠は契約企業の従業員の住宅から、最も近い保育園で提供されます。預け先は前述の320の直営園のほか、全国1000以上の提携園から選ぶことができます。(145ページ)

今の日本にも企業からの保育支援はありますが、企業内保育園をつくるか、従業員が見つけてきた保育手段に対して補助金を支払うというものが大多数だと思います。
バビルーグループのビジネスモデルは、企業が設備投資をすることなく保育枠を従業員に提供できるので、出産を機に退職せざるを得ない優秀な人材を繋ぎとめておくことができます。
従業員も、妊娠がわかったくらいから自宅近くに預け先を確保できるので、保活に対して神経質になることもありません。

民間企業が社員用の保育枠を自前で確保してくれれば、自治体枠の競争率が自動的に下がってきます。そして企業が福利厚生として保育園枠を買うことは、バルビーグループによる保育園増設の費用の一部を、企業が負担することを意味します。結果として、保育園増設に対する国家負担が減っていくのです。(149ページ)

まさに、目からウロコ。
日本でもこの事業は確実に受け入れられるはずだし、保育園が爆発的に増えるきっかけになり得ると思いました。

私に資金と経営手腕があれば、是非とも参入したい!と思いましたが(笑)、はじめかたがわからないので、どなたか是非とも実現させて欲しいです。

 

この本には、他にも無痛分娩の話とか、3歳からの保育学校の話とか、参考になるアイデアが満載で、一気に読んでしまいました。

そんないいこと尽くめに見えるフランスですが、離婚率が高かったり(自立できる女性が多いので当然な気もしますが)、移民や階級社会の歴史から不公平感が強かったりするそうですが、今の日本が参考にできることがいっぱい書かれた本だと思いました。

 

面白かったので、図書館で借りた次の日には、Amazonでポチってしまいました。
とにかく一度、読んでみてください。

 

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ありがとうございました。